とりあえず今年の夏休みからー大原
昨日まで3日ほど休暇をとって実家に戻っていた。
久しぶりにディナーなるものをいただきに外出。
柔道場を改築した北欧料理のレストラン。
ちょっと変わった店で、オーナーが不器用なのか、こだわりが強いのか、仕込みのために3日前までに予約を入れないと食べることができない。
味も雰囲気も抜群なのだが宣伝もしないのでガラガラ。
元柔道場ならでわの天井の高い開放的な空間を貸しきっての贅沢な食事となる。
実はコース料理なるものを今までほとんど食べたことは無い。
食事のスタートから終了まで2時間以上、一品ごとにオーナーが丁寧に説明してくれる。
なるほど。ゆっくりとした時間を退屈せずに過ごすことは、贅沢な気分になれるものだということを改めて思い出した。
普段自炊生活をしているのだが、結構こだわりは強い。
味噌汁を作るときでも、ダシを作るのに一晩かけるやり方を選ぶ。
カレーを作るときにはマサラは自分で調合する。
しかし食べる時はいつも5分とかからない。
整体的に、食べるという行為は骨盤を緩め、頭の緊張を和らげる働きが確かにあるのだが、
我が無意識はどうも効率性を求めて一秒でも早く緩めることを選択するらしい。
行為と結果の距離は短いほど良いとするーーーいかにも都会に生活する現代人のスタンス。
本当はその距離の中にこそ滋味を発見できるのだが、、。
時々泊まりにいく禅寺で和尚に言われる。
「どうせ毎日座禅なとしないんだろうから、日常の中でやり易いことから始めろ。
お前はまずゆっくり茶を飲むことを覚えろ。
テレビも音楽もなしに、茶を一杯飲むのに20分ぐらい掛けてみろ。」
風も虫の音もなく、木立の隙間にわずかに見れる月を眺めながら特に会話もなく茶を頂くこと。
今の段階では、たしかに気張って僧堂に座しているよりも、よほど気持ちが落ち着いていた。
今日からまた東京での生活。 さしあたってまた茶を頂くことから始めたいと思う。